契約書翻訳の観点から、経験上、よく目にしたり、よく使われたり、または知っておいて損はないと思われる英文契約書でよく使われる単語と用語を取り上げています。今回は、当事者間の権利義務の関係を規定する契約書で使用される権利と義務に関する用語の1つ「entitle」です。「~の権利[資格]を与える」、「権利[資格]を与える」等の意味があります。
「entitle」は、通常、以下のように使われます。
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「~に…の権利[資格]を与える」
The new policy entitles the employees to 20 days of annual leave per year regardless of his or her service years.
(新しいポリシーは、従業員が勤続年数に関係なく年に20日の年次休暇を取得する権利を与える。)
This Agreement shall entitle Seller to an equitable adjustment in the price and any time of performance.
(本契約は、売主に価格および履行期間に関する適正な調整の権利を与える)
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「~に…する権利[資格]を与える」
The person who passes this test is entitled to participate in the advanced program.
(このテストに合格した人は、上級プログラムに参加する資格があります(参加する権利が与えられる)。)
All employees are entitled to receive all company benefits.
(全授業員は会社のすべての福利厚生を受ける資格がある(権利を与えられている)。)
The buyer shall be entitled to transfer any rights deriving from this Agreement.
(買主は、本契約から得られた権利を譲渡する権利が与えられている。)
その他に、「entitle」には、「表題を付ける」等の意味もあります。
「~の権利[資格]を与える」、「権利[資格]を与える」等の意味では、「entitle」のほかにも「grant right to」、「give a right to」等、さまざまの用語があります。なを、「権限を与える」の意味では、いくつかの例として「empower」、「authorize」、「give an authority」、「grant a power」等があります。
これらについても、機会を改めて説明します。
参考図書
- ビジネス法律英語辞典 (日経文庫)
- 英和大辞典(研究社)他